サラタメさん
今回はLinkedInの代表、村上 臣さんが書かれた『転職2.0』という本について解説します。
本書の結論は「転職1.0の時代から、転職2.0の時代に変わった」ということ。
限られた人が一世一代の大勝負として転職する時代は終わり、ビジネスパーソンであれば誰もがバンバン転職する時代が来たと述べられています。
では、我々はどう対策すればいいのか?
結論、自分のハッシュタグを書き出して、職務経歴書だけは今すぐに作りましょう。
求職者
いや、オレは転職考えるような意識高い系じゃないから……。
という方も、含めて全員です。
実際に転職するかどうかはお任せしますが、ご自身のハッシュタグを整理して、職務経歴書だけは試しに書いてみてください。
ハッシュタグというオシャレワードが出てきて、限られたエリートだけの話に聞こえてるかもしれませんが、断じてそんなことはありません。
全ビジネスパーソンに関わる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
ではいきましょう!
目次
【超要約】そもそも転職2.0とは?
まず超ザックリと「そもそも転職2.0って何なのよ?」という話をします。
大前提として、終身雇用と年功序列は終わります。
2019年に経団連の会長やトヨタの社長が立て続けに、「終身雇用を続けるのは難しい」と発言しました。
そしてそれから大手企業のリストラがバンバン行われています。
これからの時代、終身雇用と年功序列が約束されてる企業なんてありません。
サラタメ
そんな約束をしちゃう会社は、逆に危ないと思います。
転職2.0というのは「メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へと変化しましたよ」ということ。
メンバーシップ型というのは、いわゆる日系大手企業型の雇い方です。
新卒で大量の社員をポジション関係なく採用して、その社員に営業や経理、マーケティングなどとジョブローテーション的にいろいろな仕事を経験してもらう雇用の仕方です。
専門スキルより会社への忠誠心が高まることを優先している感じですね。
なぜなら終身雇用だし、年功序列で出世できるからです。
こういうメンバーシップ型の雇用が終わり、今後の主流になると言われているのがジョブ型雇用です。
ジョブ型雇用は最初から営業なら営業、マーケティングならマーケティングと、何かに特化した人材を採用します。
そこからの出世も年功序列ではなく、営業として採用されたなら営業スキルが高い人が年齢関係なく出世していく、弱肉強食スタイルです。
つまり今後は、一社に添い遂げる時代は終わって、3~4社を転々とするのが一般的なビジネスマン人生になるということ。
会社側が「終身雇用と年功序列は、もう無理」と白旗上げてるのに、こちらの社員側だけ「一生添い遂げます」と健気に言ってると、痛い目を見ることになります。
なので、まず「転職は特別な人だけのもの」というマインドブロックは外さないとダメです。
そのマインドブロックが外れてもまるで新卒の就活のように、
求職者
次の会社でこそ、一生添い遂げるぞ!
みたいなマインドで転職活動してるようでもダメです。
それでは、まだ転職1.0。
転職2.0は、電車の乗り換えレベルで転職をカジュアルに捉えないといけません。
転職2.0時代のキーワード「ハッシュタグ」
求職者
いや、そんなカジュアルに転職なんてできるわけないでしょ!
と思ってしまう方は、本書のキーワード「ハッシュタグ」が整理できていない可能性が高いです。
ハッシュタグとかなりオシャレな表現をされていますが、要は「強み」みたいなもんです。
まさにインスタ投稿のハッシュタグのように、複数の強みを並べて、採用側の検索にヒットすることを狙うんです。
例えば私でいえば、
- #YouTuber
- #大手企業
- #中小企業
- #動画マーケティング
という感じ。
採用担当者
動画マーケティングで売上を拡大したい!
と思ってる企業が人材を探してる場合に、私はヒットしやすいはずです。
一方で、部長や課長といった管理職をやった経験が私にはありません。
サラタメ
現在32歳ですが、同年代でより好待遇の転職をする友人たちは「#管理職」「#マネジメント経験」みたいなハッシュタグを持っているので、そこが私の弱点ですね。
つまり私の場合は、すでにハッシュタグを持っている「#動画マーケティング」まわりで細かくハッシュタグを集めていくより、思い切って「#マネジメント経験」をゲットするために大きく動いた方がキャリアの選択肢がグッと広がるわけです。
例えばそういう役職に立候補してみるとか、もしくはそのハッシュタグ目当てで転職してみとか、そんなことが求められます。
いわば、ハッシュタグを集めていくゲームのようなもの。
複数回の転職をしながら必要なハッシュタグを集めていく、それが転職2.0時代に求められる動きなんです。
転職2.0時代で行うべき対策5STEP
求職者
いやいや、そんなややこしいことできるかい!ハッシュタグの意味はギリわかったけど、集めるべきハッシュタグなんてわからないし、そもそもオレにはハッシュタグなんて一つたりともないんだよ!
という声が聞こえてきそうですが、安心してください。
絶対あります。
ここからは具体的な見つけ方をお伝えいたします。
転職を考えていない人も含めて全員にやっていただきたい対策、5ステップについて解説していきます。
- STEP0.GOALを決める
- STEP1.自分にテンプレの質問をしてみる
- STEP2.遠い誰かと比較してみる
- STEP3.職務経歴書をつくってみる
- STEP4.転職エージェントに相談して更新する
- STEP5.毎年更新する
STEP0.GOALを決める
これは大前提ですが「GOALを決める」ことは、まず最初に絶対やってください。
さすがに「20年後」と言われると遠すぎてイメージできないかもしれませんが、せめて「5年後」と「10年後」のイメージは一旦固めましょう。
- 年収がいくらほしいか?
- どんな会社で働きたいか?
- どんな仕事をしていたいか?
もしかすると独立起業やセミリタイアをイメージしてる人だっているかもしれません。
それでもOKです。
そのゴールによって集めるべきハッシュタグが変わってくるので、このステップは地味に大事です。
STEP1.自分にテンプレの質問してみる
次が「自分にテンプレの質問してみる」というステップ。
求職者
オレのハッシュタグは何だろう?強みは何なんだろう?
と曖昧な質問を自分に投げかけてみても、なかなか答えは出てきません。
大事なのは
- ①職種
- ②業界
- ③経験
- ④スキル
- ⑤コンピテンシー
という5つの分類分けで、チェックすることです。
コツはこの5つの分類を使って、もっと具体的な質問をご自身に投げかけてください。
例えば以下のような感じ。
①〜③までは絶対何かしらのハッシュタグが見つかるはずです。
ただ④⑤は、なかなか見つかりません。
自分がめっちゃ得意で、平気でできちゃうことほど、当然すぎて見逃してしまいがちなので。
もし思いつかなかったら、一旦無視してもらっても大丈夫です。
最低限①〜③まで見つけられるようにしましょう。
STEP2.遠い誰かと比較してみる
続いて「遠い誰かと比較してみる」というステップ。
これは私もよくやるんですが、全く別の職場で働いてる友人の仕事の話を聞いて、自分のハッシュタグと比較してみましょう。
ほとんどの場合、同じ職場にいる人だとハッシュタグも似通ってしまって、なかなか自分ならではのハッシュタグが判明しません。
なので、全然別の仕事をやってる友だちに聞いてみるのがオススメ。
別にハッシュタグを比べると言っても、大層な話ではありません。
普通に友だちと飲みに行って、
- どんな業界で
- どんな仕事をやっていて
- どんな経験をしているのか
などと雑談程度に聞くだけで大丈夫です。
そうやって自分とは遠い業界の人と比較してみましょう。
すると、より自分のハッシュタグが明確になるかと思います。
STEP3.職務経歴書をつくってみる
続いて「職務経歴書をつくってみる」というステップ。
これは、60点くらいの仕上がりでOKです。
本当にそれを使って志望企業に応募するわけではないので、一旦ザックリでつくってみましょう。
60点くらいの完成度なら、1 〜2時間で完成するかと思います。
STEP4.転職エージェントに相談して更新する
60点くらいの職務経歴書が完成したら、それを元に「転職エージェントに相談して更新」してみましょう。
転職エージェントに相談すると「自分のハッシュタグを元につくった職務経歴書はどれだけ企業側からニーズがあるのか?」が明確になります。
自分の中でハッシュタグを整理してるだけでは、現在の自分の市場価値も、これから必要になってくるハッシュタグもわかりません。
大事なのは、それを転職市場にさらしてみて「自分は何がスゴいのか、何が足りないのか」をチェックしてもらうことです。
なので、転職エージェントを使って一旦さらしてみてください。
使ったことがない方だと勘違いしてる人が多いんですが、転職エージェントと面談したからといって、絶対に転職しないといけないわけではありません。
この職務経歴書だったら「今どんな会社にどんな年収で転職できそうか」を聞くだけでも全然OKです。
サラタメ
私も何度も、相談だけの面談やってもらいました。
転職エージェントに相談に行くと、ガッツリ足りない部分を指摘されます。
例えば私だったら、
サラタメ
ワークライフバランス整えたい。あとできれば、Webマーケティングの仕事に携わって、今の年収も維持したい。
と要望を伝えたら
エージェント担当者
じゃあ、こういう実績やスキルが必要になりますよ。
とアドバイスされました。
指摘されたことによって「これもハッシュタグになるのか」と気づくパターンがあります。
この場合は、職務経歴書にただ追加すればOK。
一方で、アドバイス通りのハッシュタグを持っていないパターンもあるはずです。
これも落ち込む必要は全くなくて、そのハッシュタグを手に入れるために
- こういう仕事にもっと注力してみよう
- こういう仕事に立候補してみよう
- 副業で経験を積んでみよう
と前向きに取り組めばいいんです。
別の会社に転職することがゴールではありません。
このように転職エージェントとコミュニケーションをとって、自分のハッシュタグと自分の職務経歴書を明確にしておくことがゴール。
それがきっと転職活動だけではなく、今の仕事にもプラスになるはずなので、全ビジネスパーソンがやっといた方がいいというわけです。
もし転職エージェント選びに悩むようなら以下の記事を参考にしてください。
【忖度無しの本音】サラタメおすすめの転職サイト&転職エージェント&口コミサイトSTEP5.毎年更新する
これは補足みたいになりますが「毎年更新する」というステップもぜひ覚えておいてください。
毎年決まったタイミングで、つくった職務経歴書を更新しましょう。
その1年でやった仕事内容を改めて、ステップ①のテンプレ質問を使って振り返りながら自分のハッシュタグの棚卸し、職務経歴書の更新をやっておいてください。
サラタメ
私は年末の連休にやっています。
せめて1年に1回はどんな仕事をしてきたかを振り返らないと、せっかく貴重な経験をしてても、ガンガン忘れていってしまいます。
これやっておくだけでも、転職活動をいざ始めるとなった時めちゃくちゃラクできます。
【上級編】ハッシュタグを元にSNSで発信しよう!
ここからは、上級編の話をさせていただきます。
それは、ハッシュタグを元に「SNSで発信する」というものです。
ハッシュタグの本質的な価値は、検索にひっかかることです。
こちらから応募しなくても、企業側の検索にヒットして、ガンガンスカウトがもらえれば最高。
選び放題なわけです。
例えば、中国のトレンドに詳しい人がいたとします。
中国市場の最新情報や中国ならではのマーケティング手法をTwitterで発信していれば、それはこれから中国市場に参入したい企業にとっては、非常に魅力的です。
DMで「ぜひ一度、お話聞かせてくれませんか?」と連絡が来て、転職につながる可能性があります。
このように自分から応募していないのに、良いご縁がハッシュタグ経由で舞い込んでくるのが転職2.0の最終形態なんです。
サラタメ
実は私もつい最近まで、新R25というメディアで働いてましたが、転職のキッカケはSNSです。Twitterアカウントから「サラタメを採用してみませんか?」という呼びかけたところ、合計8社からご連絡いただいて、お互いの要望が一番合致していた新R25で働くことになったという流れです。
実際LinkedInみたいなビジネスSNS経由で転職するケースは、かなり増えています。
きっと将来的には、もっと一般的になると思います。
ただし個人的にはぶっちゃけまだ、だいぶ先の話だと予想しています。
ハッシュタグを発信してSNS経由で転職する方は、かなりの実力者のみになるはずです。
なぜなら経歴を書いておくだけで多くの企業がスカウトしたくなる、そんな人材がメインの話ですから。
大半のビジネスパーソンが使いこなすようになるかというと、なかなか難しい気がしています。
多くの方はハッシュタグと職務経歴書を整理した後にSNSで発信していくよりも、個人的には身近な友だちと比較してみたり、転職エージェントに相談してみるくらいがオススメです。
ビジネスSNSで採用を行う企業の中には「安く採用したい!数打ちゃ当たるだろ!」とやましい気持ちで、ガンガンDMするところもあります。
そういう会社に転職をしてしまうと、危険です。
サラタメ
私の周りにも実際にそういう企業からDMが来た人がいます。
なので、まだ難易度高めのハッシュタグがないような人はSNSは一旦忘れていいと思います。
SNSで発信するより、まずは目の前の仕事に集中しましょう。
発信する前段階として、まず魅力的なハッシュタグを集めるところに注力するのが、逆に近道だと私は思います。
【サラタメ的まとめ】転職2.0時代は「ハッシュタグを集めるゲーム」
転職2.0時代は「ハッシュタグを集めるゲーム」なんだと認識していただければと思います。
ただし、闇雲に集めればいいわけではありません。
自分のゴールをきちんと設定した上で、今持っているハッシュタグを分析して、足りないハッシュタグを集めるようにしましょう。
最後に…
私が実際に使ってみて「これはオススメできる!」と思った転職支援サービス(※すべて無料)をまとめた記事貼っておきます。 【忖度無しの本音】サラタメおすすめの転職サイト&転職エージェント&口コミサイト 最初の「結論」部分だけでも、充分役立つ情報かなと。 (「結論」だけなら“1分”あれば読めちゃいます!)