サラタメさん
今回は『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!転職後も武器になる思考法』という本について解説します。
本書はタイトルの通り「会社辞めたいループ」からの脱出法が書かれた一冊。
- 会社に就職してもすぐに辞めてしまう
- 転職したのに新しい会社でまた辞めたいモードになってしまう
- 転職を繰り返し、キャリアが傷だらけ
というような無限地獄にハマらないための対策が、本書には書かれています。
著者の佐野創太さんは、元転職エージェントで勤められていて、延べ1000人以上の転職や退職の相談にのってきた「退職学」の研究者でもある方。
そんな佐野さんが教えてくれるのは、転職の後もハッピーになれる思考法です。
これがどうして大事なのかというと、転職した後を考えずに「転職活動だけ」うまくいっても意味がないから。
それでは本質的にハッピーにはなれません。
ではどうすれば、転職した後もしっかりハッピーになれるのか?
この記事で詳しく解説していきます。
ではいきましょう!
目次
「会社辞めたい」なら、ネガティブな本音を突き止めよう
会社を辞めたいと思ったらまず、誰にも言えないご自身の「ネガティブな本音」を突き止めましょう。
求職者
どうして俺は転職したいと思っているのか? どうして今の会社を辞めたいと思っているのか?
その本音を突き止めないで
求職者
とりあえず会社を変えれば、どうにかなるっしょ!
という感じで転職活動をしても、ブレブレになります。
例えば、お金の不満があって転職活動を始めたわけでもないのに、求人広告に書かれた高い年収に目がくらんで転職してしまったら、結局根本的な悩みは解決されません。
それではまた転職を繰り返す、無限地獄へまっしぐらです。
転職活動を始める前、転職エージェントに企業を紹介してもらう前に、真っ先に「ネガティブな本音」を突き止めておきましょう。
「会社辞めたい」というネガティブな本音を突き止める2つの方法
本書では、ネガティブな本音を突き止めるための方法が、誰でも実践できるようわかりやすく書かれています。
その中でもサラタメが特に大事だと思った2つを解説していきます。
- ①退職成仏ノート
- ②人間関係仕分けノート
ノートと書かれていますが、立派なノートを一冊用意する必要はありません。
本書で語られる手順を元に、チャチャッとどこかの紙の切れ端にメモするくらいの気持ちでOKです。
①退職成仏ノート
「退職成仏ノート」とは、ネガティブな感情をメモで吐き出しまくって成仏させるということです。
ちなみに、「退職成仏」と書かれていますが、ガチで会社を辞めてしまうほどのネガティブな感情ではなくてOKです。
サラタメ
小さいモヤモヤだけど、こういうのがずっと続いたら、会社辞めたくなっちゃうな……。
くらいのちょっとしたものでもOKですので、ガンガンメモしていきましょう。
大事なのは、しっかり成仏させることです。
メモで吐き出して、ネガティブな感情を突き止めるだけじゃなくて、成仏までさせないと、会社への怨念が消えません。
怨念が消えてないと、例えば転職活動の面接で、
採用担当者
なぜ今の会社を辞めようと思ったんですか?
と退職理由を聞かれたときに
求職者
いや、前の会社がひどくて!
といった具合に、ついつい悪口が出てきてしまいます。
そんな悪口カマす人を、マトモな会社は絶対採用しません。
この「退職成仏ノート」の手順に沿って、ネガティブな本音を成仏させていきましょう。
同時にネガティブな感情のど真ん中にある、自身の急所も突き止めていけるとさらに吉。
ということで、退職成仏ノートをつくるための具体的な3ステップをお伝えします。
- STEP1.モヤモヤをメモする
- STEP2.モヤモヤの理由を書き出す
- STEP3.過去との共通点を探す
まずは「モヤモヤをメモ」しましょう。
職場でモヤモヤしたり、イライラしたり、とにかくネガティブな感情になったタイミングでメモをします。
対象は
- 人
- 業務内容
- 出来事
なんでも大丈夫です。
事実をどんどん並べていきましょう。
サラタメ
「上司がうざい。不愛想で無口だし、口を開いたと思うと、乱暴な言葉遣いをする。意識的に部下を怖がらせようとしてるのが、最悪」みたいな感じです。
大事なのは、ありのままの感情で書くこと。
この段階では、自分の反省点まで考えたり、変にポジティブに変換したりしなくて大丈夫です。
ただ、ひたすらにネガティブな感情を吐き出すことが目的ですので、しっかり悲しんで、怒って、寂しがりましょう。
その方がしっかり成仏させられます。
そうやってひたすらネガティブな感情を吐き出してみるというのは、それこそ精神科医の先生がカウンセリングする時に使う手法でもあります。
メンタルの安定のためにも、ドロドロとした感情を一旦全部吐き出しましょう。
そして少しメンタルが落ち着いてきたら、次は「モヤモヤの理由」も書いてみましょう。
ステップ1では事実を並べるような形でしたが、そのモヤモヤした事実に対して「なぜそう思ったか?」と問いかけ、理由を掘り下げていきます。
サラタメ
「上司が無口で怖い雰囲気を醸し出してるから、その雰囲気のせいで自分含め、部署のみんなが忖度して、無駄な仕事をしないといけなくなってしまっている。あと無駄な仕事のせいで、残業も増えてて、体力的にもしんどい」みたいな感じです。
ここでも別にその理由について、正しさを求めなくてOKです。
誰に見せるわけでもないので、自分だけが納得できれば十分。
あなたなりの理由を考えてみてください。
最後に「過去との共通点を探す」というステップです。
ステップ2で思いついた理由と、同じような理由でモヤモヤしたことが過去にもないか、記憶を辿ってみましょう。
もし、過去にも同じようなことがあるとすれば、そここそあなたの急所です。
サラタメ
「高校のサッカー部にいた時も、同じように無口で怖い雰囲気の監督に、ビクビクしていたな。自分含め、チームメイトはビクビクしながら、サッカーをやっていた。元々サッカーが大好きで集まったはずのチームメイトが、部活を引退する頃にはみんなすっかりサッカーが嫌いになっていたな。あれは、ホント最悪の思い出だ。」みたいな感じです。
このケースの人で言えば、「軍隊のような雰囲気、トップダウンのコミュニケーションが苦手」ということがわかります。
ここまで突き止められれば、成仏させることができます。
自分の急所が明確にわかったら、そこだけは傷つかない会社に転職するのが最優先です。
転職でよく重視されがちな「年収」や「企業の知名度」より、この事例の人で言えば「職場でのコミュニケーション」が軸となります。
もしそこが改善されるのであれば、もはや転職ではなく部署異動でもいいかもしれません。
とにかく他の人は耐えられても、自分としては生理的に無理なポイントを突き止めることが大事。
そこさえ避けることができれば、「会社辞めたい」ループから脱出することができるんです。
②人間関係仕分けノート
おそらく「退職成仏ノート」を実際にやってみるとおわかりいただけるかと思いますが、要は人間関係なんです。
我々人類の悩みの大半も、転職したくなる原因NO.1も、常に人間関係です。
その人間関係の悩みを慎重に解きほぐしていくのに最適なのが「人間関係仕分けノート」です。
つまり、あなたの周囲にいる人たちを仕分けするということ。
人間を仕分けるとか、ちょっと冷酷な作業のようで気が引けるかもしれません。
ただやめてしまうと、それは自分の本音にフタをする行為。
メンタル的に非常によくありません。
ですので、どうにか心を鬼にして
- つながり:好きな人
- しがらみ:苦手な人
- 無関心:特に感情が動かない人
この3つのフォルダに仕分けて、今後付き合うべき人、避けるべき人を明らかにさせましょう。
個人的にこれが一番大事だと思うのが、「裏しがらみ」さんを特定すること。
今あなたが「つながり」さんだと思ってる人でも、実はよくよく分析すると、「しがらみ」さんである可能性は大いにあります。
というのも、「しがらみ」さんは成功に群がってくるからです。
あなたがうまくいってるときに笑顔で近づいてくるので、どうしても「つながり」さんだと勘違いしやすい。
ではどうやって見分ければいいかというと、それは「義理アピールがあるかどうか」です。
「つながり」さんの顔した「裏しがらみ」さんは、うまくいってるときに近づいてきて、後々「義理」とか「恩」をめちゃくちゃアピールしてくる特徴があります。
求職者
オレがあのとき、こうアドバイスしたから!
求職者
私がこうしてあげたから!
と義理アピールがかなり強めです。
その「義理」を凶器として、あなたの「本音」や「新しい挑戦」をツブそうとしてきたら、もうそれは「しがらみ」さん確定。
にもかかわらず、人のいいあなたは「つながり」さんだと勘違いしてしまうと思います。
でもそもそも、「つながり」さんは「つながり続けたい人のこと」です。
だから「つながらればいけない」と義務感を感じてる時点で、それは「つながり」さんではありません。
もちろん「恩知らず」な人になってはダメです。
ただ前提として、「義理」や「恩」はこちらから自発的に感じるもの。
相手に催促されて感じさせられてるような「義理」は、大した「義理」ではなく「しがらみ」と呼ぶほうが妥当でしょう。
とはいえ、この仕分けは非常に難しい。
著者の佐野さんご自身も「完全に間違えたことがある」と本書の中で告白されています。
新卒で入った大手企業を辞めて、転職しようとしてるときに当時の上司から
上司
これから、新規事業を始めるから、ぜひ、それを担当してほしい。やっぱり転職を考え直してくれないか?
と提案されたそうです。
そこで当時の佐野さんは、上司を「しがらみ」さん扱いしました。
ただ結果的に佐野さんは、その会社に出戻りしたんです。
転職したものの、転職先選びに失敗して、一旦無職になってしまった。
そして無職になった後に、その上司の方に改めて拾ってもらって、元々いた大手企業に戻りました。
佐野さんの出戻りのために関係各所を調整してくれたのは、一度「しがらみ」フォルダに仕分けてしまった、その上司の方だったみたいです。
このエピソードからもビシビシ伝わってきますが、やはり仕分けは非常に難しい。
「時間が経った」「環境が変わった」からこそ、明らかになる人間関係もあるからです。
そんな中でもし基準を持つとしたら、「しがらみ」さんは「過去の成功」の話にこだわって、いつまでも義理を語ってきます。
一方で「つながり」さんは佐野さんの上司の方のように、「未来の失敗」がわかっていてもずっとつながり続けてくれます。
「失敗も人生経験のうちだ」と背中を押してくれますし、本当に失敗しても程よい距離感で見守ってくれるはずです。
さて、あなたの「つながり」さんフォルダには、どんなタイプの人が仕分けされるでしょうか。
仕分けができたら、ぜひそれらの「つながり」さんたちの、共通点を見出してください。
なぜなら、そこにあなたが行くべき職場の雰囲気が映し出されるからです。
- あなたの「つながり」さんたちはどんな人でしょうか?パリピな人でしょうか?穏やかな人でしょうか?
- そこから連想される職場の空気は、ゴリゴリ実力主義でしょうか?キッチリ年功序列でしょうか?
- 距離感が近いアットホームな職場でしょうか?一定の距離感で人それぞれ個人主義な職場でしょうか?
ここに挙げた選択肢には「これこそ行くべき職場だ!」という正解はありません。
人それぞれとしか言いようがないんです。
ただもしあなたなりの正解があるとすれば、あなたが選んだ「つながり」さんがどんな人か、つまり「人間関係仕分けノート」にこそ大正解が隠されているんです。
【補足】あなたの本音を否定できる人はこの世界に存在しない
ひとつ覚えておいてほしいのは、「あなたの本音を否定できる人は、この世界に存在しない」ということ。
あなたが突き止めた「モヤモヤ」、あなたにとっての「しがらみ」さんは確実に正解なんです。
仮に「そんなことでモヤモヤしてんなよ!」とか、「あの人を「しがらみ」さんって言うのは、見当違いだ!」とかホザく人がいたとしても、それでも絶対100%それは正解です。
ただ一方でこれも頭に入れておいてほしいですが、あくまでそれは「自分にとっての正解」でしかありません。
あなたがモヤモヤしてしまう「THE 体育会系」の空気感が逆に心地いい人もいれば、あなたにとっての「しがらみ」さんが誰かにとってのかけがえのない「つながり」さんであってもおかしくないんです。
つまり、「あなたの本音は誰も否定できませんが、それと同時にその本音は誰もが賛成できるわけでもない」ということ。
この考え方を持ってる人が、私は最強だと思います。
しなやかな、柔軟性のある強さで守られている人です。
自分の本音を誰かの物差しやあ一般常識を基準に照らし合わせて否定しないという確固たる強さを持つこと。
その一方で自分の本音が、「全国民に認められなくても、そりゃしょうがないよね」という柔軟さも持つこと。
このようなバランス感覚がめちゃくちゃ大事です。
ぜひそのバランス感覚を携えた上で、ご自身のドロっとしたネガティブな本音を突き止めていただきたいと思います。
【サラタメ的まとめ】会社辞めたいループから抜け出しハッピーに
「会社辞めたい」と思ったときには、まずはネガティブな本音を突き止めていただければと思います。
そして
求職者
快適になるじゃん!自分の本音を押し殺しさえしなければ、仕事って意外に快適になるじゃん!
と思える方が一人でも増えることを願っております。
最後に…
私が実際に使ってみて「これはオススメできる!」と思った転職支援サービス(※すべて無料)をまとめた記事貼っておきます。 【忖度無しの本音】サラタメおすすめの転職サイト&転職エージェント&口コミサイト 最初の「結論」部分だけでも、充分役立つ情報かなと。 (「結論」だけなら“1分”あれば読めちゃいます!)