サラタメさん
今回は、今年1月に発売されたばかりの新刊『1300万件のクチコミでわかった超優良企業』を元に、
以下2つの重要ポイントを紹介します。
- ぬくぬくしやすくなった時代に、本当にぬくぬくしたら危険だ
- 営業マンは「売る商品」だけで会社を選ぶと危険だ
さらに最後にサラタメ的補足として「クチコミサイトの(本質的に)正しい使い方」もお伝えします!
サラタメさん
OpenWorkさんからも、出版社さんからも、1円たりとも頂いていません。
頂いていませんが、この本をオススメします。
転職活動、就職活動中の方にとって、読んで損しない一冊でした。
ではいきましょう!
▼動画でチェックしたい方は以下からどうぞ!
目次
『1300万件のクチコミでわかった超優良企業』の概要
今回参照させていただく本書は、ザックリで言っちゃうと以下のような一冊でございます。
それでは解説していきます!
前提知識:OpenWorkとは定性的、定量的データの両方がそろっている口コミサイト
「いや、そもそも、OpenWorkって何なのよ?」
という方のために補足しますと、OpenWorkというのはクチコミサイトです。
企業で実際に働く、内部の人のクチコミが、集まってるサイトで、
例えば、以下のような「残業や休日出社が多くて、休みの日も不安だった」といった、わりと生々しい内部事情が覗けてしまいます。
はたまた、そういったコメントなどの定性的なデータだけじゃなく、数字のデータつまり定量的なデータも収集していています。
それをスコア化したり、以下のような見やすいレーダーチャートにしてくれたりしている、という、転職活動、就職活動する方々には、必見すぎるサイトなんです。
なので、変態的転職マニアの私はめっちゃ見てます。
そして今回、大好物のOpenWorkの本が出たと。
合計6万社、1万3千件のデータを元に、OpenWorkの中の人、データサイエンティストの方々が分析して、
一冊の本にしたということです。
サラタメさん
この話を聞きつけた私は、もちろん、発売当日に読ませていただきました。
我ながら、キモいぐらいの熱量です。笑
本書のおもしろかった点:データから見える傾向と分析コメント
本書の、どこがおもしろかったかというと、ちょっと変わったポイントです!
おそらく、多くの方は本書に掲載された以下のような優良企業ランキングに、興味を持たれると思います。
- 総合評価ランキング
- 年収アップ幅ランキング
- ワークライフバランスランキング
などなど
サラタメさん
ただ、すみません。そこには、ほぼ触れません。
個人的に、そこには全然そそられませんでした。
なぜかというと、結局ランキング上位にはGoogleやマッキンゼー、P&G、三井物産などが並んでいて、「で、どうすりゃええねん!」と思っちゃうからです。
Googleが、超優良企業だとわかっても、じゃあ入っちゃおう!とできる人は、そういません。
なので、私は、そんな羨ましくなるだけのランキングより、
本書に書かれてる、以下の内容のほうが100倍おもしろいと思いました!
- データから見える傾向
- 分析コメント
そこから見えてきた重要ポイントについて解説します。
重要ポイント①:ぬくぬくしやすくなった時代に、本当にぬくぬくしたら危険だ
本書の重要ポイント1つめは「ぬくぬくしやすくなった時代に、本当にぬくぬくしたら危険だ」です。
ぶっちゃけ、この1つ目のポイントが今回ダントツ一番に伝えたい内容です!
サラタメさん
ぜひしっかりご覧くださいませ!
大前提:働き方改革による残業時間の大幅な減少
この重要ポイントの大前提として、ここ10年で「働き方改革」の名の下に、全体の傾向として残業時間がかなり減ってきているということがあります。
2015年に大企業である電通で、有望な若手社員の方が過労を原因に、自殺に至ってしまいました。
あの事件をきっかけに、世間の空気が一変し「働き方改革関連法案」が導入されるようになり、残業時間を規制する動きが、かなり強くなったんです。
サラタメさん
本書にもありますが、OpenWorkに投稿されるデータを分析しても、
ここ数年で、残業時間は劇的に少なくなっている傾向があるようです。
残業減少の副作用:20代の成長環境指標が悪化
もちろん残業時間が減ること自体は素晴らしいことですが、どうやらその変化には副作用もあるみたいなんです。
それが以下のデータです。
OpenWorkに掲載された6万社のデータを分析してみると、
「組織の風通しの良さ」とか「待遇面」「社員の士気」「評価の適正さ」など、
すべての指標がこの10年で徐々に改善されていってる中で「20代の成長環境」だけが悪化しています。
サラタメさん
私も初めての転職は「とにかく残業を減らしたい!」という一心で転職活動をした人間ですので、
本当に素晴らしい社会の変化だとは思うんですけどね^^;
つまり、このデータから導き出される仮説は以下のとおりです。
- この10年で、ぬくぬくと残業時間を減らして、ワークライフバランス改善はできるようになった。
- ただその結果、20代の若手社員が成長する環境を奪うことにつながってしまった。
総合満足度が高い企業と低い企業の違い:20代の成長環境
「別に成長なんかしないでも、早く家に帰ってぬくぬく楽しくやればそれでハッピーだろ」と思ったんですが、そう簡単な話ではないんです。
というのも、OpenWorkのデータで、総合満足度が高い企業(※)と低い企業の違いを分けるのが「20代の成長環境」だったから。
※総合満足度が高い企業とは、「風通しの良さ」「待遇面」「社員の士気」「評価」などなどの全ての指標が総じて高い企業のこと。
サラタメさん
わかりやすく言うと、総合満足度が低くて辞めたくなっちゃうような会社には、
「ぬるま湯体質」という特徴(データからわかる傾向)があったんです。
本書に書かれている「ぬるま湯体質」は、「残業時間は少ない」けど、「20代の成長環境」のスコアが低い、そんな企業です。
会社を辞めたくなってしまうきっかけ:数値化しにくいソフト面
OpenWorkのデータが明らかにしているのは、会社を辞めたくなってしまうキッカケは意外にも、以下のようなわかりやすいハード面の不満ではないということです。
- 年収
- ワークライフバランス
そうではなく、会社を辞めたくなってしまうキッカケは、以下のような数値化しにくいソフト面であることが多かったんです。
- 成長できない環境
- やりがいの無い仕事
- 率直に意見を言えない社風
などなど
つまり、まとめると以下のようになります。
我々は心の奥底に、意識が低くラクしたい自分がいます。
それは転職してすぐ、短期的には喜ばしいことですが、長期的には違うと。
多くの方がラクしたい反面、自己実現や承認欲求も追い求めちゃう意識高い面も持っていたりします。
長い目で見ると、物足りなくなったりツラくなったりして会社を辞めたくなってしまうということです。
結論:厳しい環境に飛び込むべき
結論、我々はどうすればいいのかというと、「厳しい環境に飛び込むべきだ」ということです。
30代とか40代の方はもうベテランですから、自分で良い塩梅で判断できると思います。
ただ、20代のみなさんに関しては、まずは厳しい環境でシゴかれたほうがいいかなと。
なんだよ、サラタメさん!
今まで散々、ワークライフバランスって言ってたくせに、なにを今更!
そこは、すみません。
もし、私のくるぶしより低い意識の発信がどなたかの成長環境を奪っていたかもしれないと思うと、大変申し訳ない気持ちです。
ただ、一つ言わせていただくと、ぶっちゃけ、私も20代なんてずーっとシゴかれまくってるんですよ。
サラタメさん
27歳の時、超ハードワークのブラック企業から、ぬくぬくホワイト企業に転職しました。
しかしそれから、副業で自ら追い込んで、ブラック企業以上にブラックに働いたんです。
ぶっちゃけ、全然ぬくぬくしていませんでした。
今33歳になって、20代と比べるとさすがにぬくぬくし始めています。
昨年赤ちゃんが生まれて、ある程度、ぬくぬくしないといけない生活になった感じです。
30代になって家庭を持たれた方ならわかるかもしれませんが、家庭を持ったら「仕事だけしてればいい」というわけにはいきません。
仕事だけしてたらホメられた20代とは違って、家庭を築く一員になった私は仕事だけすることは、逆に現実逃避みたいになるんです。
そんな、絶対バランスを保たないといけなくなる前に、「一旦、仕事に全振りしてみる経験が必要」だと、振り返ってみて思います。
仕事に全振りした結果、私は最低限のレベルですが以下の2つのスキルを身につけました。
- 仕事を楽しめるだけの「基礎的ビジネススキル」
- これ以上働いたら体を壊すという「危険察知能力」
サラタメさん
この2つは、マジで身に付けられて、よかったと思います。
20代のみなさんに、33歳プチおじさんの私からお伝えしたいのは、
一旦、この2つを身に付けられるくらいには、走り切ってみてほしい、ということです。
もちろん、ブラック企業はダメです。
搾取する気満々で、あなたを成長させる気なんて、一ミリも無いブラック企業からは、即脱出するべきです。
しかし、もし成長が期待できる環境なら、
「これは期間限定のトレーニングなんだ」と言い聞かせればどうにかなりそうであれば、
ぜひ20代のうちは、走り切ってみてください。
サラタメさん
体調を壊さない程度にですが、ギリギリの負荷を自分にかけてみると、30代、40代になった時に、ハッピーな未来が待っていると、私はそう信じています。
重要ポイント②:営業マンは「売る商品」だけで、会社を選ぶと危険だ
このポイントは営業職に興味のある方には大事な話ですが、それ以外の方には微妙かもしれません。
「営業に興味はない」という方は、最後のサラタメ的補足「OpenWorkの正しい使い方」までスキップいただければと思います。
ということで改めてお伝えすると、転職活動や就活で会社を選ぶときは、「商品」と同じくらい、なんならそれ以上に、「組織」も大事なんです。
サラタメさん
解説していきます!
商品だけではなく組織が大事
どうしても、営業職だと商材を基準に、会社を選んでしまう人が多いと思います。
- 売る商品が好きか
- 売りやすいか
などなど
しかし、OpenWorkの膨大なデータを分析すると、その判断は危険だということがわかります。
結論、「商品」だけじゃなく、「組織」が超大事です!
具体的には「売る商品が良いか」だけじゃなく「改善を続けている組織か」がポイントになります。
サラタメさん
同じことばかり続けてる古い体質の組織で働くと、かなりしんどいということ!
なぜかというと、営業のDX化(テクノロジー化)によって、ハッピーな営業マンとしんどいだけの営業マンの二極化が、以下のように進んでいるからです。
しんどいだけの営業マン (古い組織) |
ハッピーな営業マン (テクノロジーを駆使した組織) |
|
営業のスタイル | ・足で稼ぐ ・紙の資料 |
・Web面談も活用 ・タブレットや電子端末を利用 |
分業化 | 進んでいない(最初から最後まで全部) アポ取り→資料作成→クロージング→アフターケア→集金まで |
進んでいる 自分の得意な部分にだけ集中して働ける |
こういったテクノロジー化とそれに伴う分業ができている会社は、効率化が進み余裕が生まれます。
余裕が生まれると、教育(研修)の時間まで生まれるんです。
サラタメさん
つまりは、テクノロジーを駆使する組織で営業をしていると、
効率的な仕事でラクできるだけじゃなく、教育によって成長にもつながるってことなんです!
つまり、組織の体質って営業マンのキャリアに対して、なかなかパワフルな影響力を持っているんだと。
にもかかわらず、「商品軸」だけで、「商品が好きか」「売りやすいか」だけで、転職先の会社を選ぶと、どツボにハマります。
昔、20年前くらいに出したヒット商品を古い仕組みで売り続けている。
そんな会社に転職しちゃうのは、ありがちな失敗パターンです。
古い商品だから、今となってはもうライバルに勝てるポイントはない。
けど、その業界で知名度だけはあるから、どうにか生き残り続けてる商品ってありますよね。
そういう商品を主力としている会社は、要注意。
組織の体質が昭和丸出しの、古臭体質である可能性が高いです。
どんな会社を選べば良いか:今はSaaS業界がおすすめ
ではどんな会社を選べばいいかというと、厳密に言えば、それぞれの会社をOpenWorkなどを使って、念入りに調べるしかありません。
ただし、めちゃくちゃザックリで言うと、今はSaaS業界がおすすめ!
なぜかというと、SaaS業界はIT業界の中でも新しく出てきた業界・ビジネスだからです。
サラタメさん
社風云々関係なく、全体の傾向として、テクノロジーを駆使した最先端をいく組織である確率が高いです!
SaaS業界では分業してない会社は、無いんじゃないかってくらい、営業の分業化が進んでる業界です。
分業の話でも出てきましたが、基本的に以下のような内容はそれぞれ分業しています。
- インサイドセールス:アポ取り
- フィールドセールス:クロージング
- カスタマーサクセス:アフターケア
とはいえ、SaaS業界であればどこに転職してもOKというわけではありません。
わりと勝敗がついてきていて「SaaS業界の中でどの会社を選ぶか」も大事なんです。
サラタメさん
ここらへんの話に興味ある方は、私のLINE限定で出してる「SaaS業界転職完全ガイド動画」っていう、
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サラタメ的補足:OpenWork(口コミサイト)の正しい使い方
ここまで本について解説してきましたが、OpenWorkのサイトのほうに興味を持った方もいると思います。
そこで最後にサラタメ的OpenWorkの正しい使い方を補足させていただきます。
結論、以下のことだけ覚えてください。
OpenWorkのクチコミは、生身の人間に確認して完成させる
口コミサイトの情報は完全なる真実ではない
OpenWorkに書かれてるクチコミは企業内部の人の情報ですが、当然、完全なる真実というわけではないんです。
私はOpenWorkが大好きですが、そこに掲載されたクチコミが真実なのかは常に疑っています。
あくまで「仮説」くらいにしか思っていません。
なぜかというとOpenWorkさんがどんなに企業努力で頑張っても、完全なる真実だけを掲載することはできないからです。
また、クチコミが書き込まれた時点では完全なる真実だったとしても、時間が経って変化しちゃうケースもあります。
例えば、2年前はめちゃくちゃ残業が多かった会社なのに、今はもう改善されている、といったケースです。
サラタメさん
要するに、あくまでクチコミ情報は傾向であり、仮説でしかないわけです。
口コミサイトは仮説に利用→裏を取るのが大事
「そう考えると、あんま意味ないじゃん!」と思うかもしれませんが、それも違います。
だからこそ、仮説としてフル活用するんです。
つまり、OpenWorkのクチコミという仮説を元に、生身の人間に確認して自分の力で検証するということです。
サラタメさん
私が転職活動の時にやってたのは、
内定を取った後の人事とのオファー面談の中で、OpenWorkに書かれたクチコミを確認する、という検証です。
最高なのは、以下のような流れで現場の社員の人に確認するパターンです。
- OpenWorkの口コミを見て仮説をたてる
- 人事の人に「現場で働く人を、内定承諾の前に、一人だけ紹介してほしい。お話聞かせてほしい」とお願いする
- 現場の社員の人に「実はクチコミサイトで、こんなクチコミ見ちゃって、今はもう大丈夫なんだろうな、とは思ってるんですけど、ぶっちゃけどうなんですか?」とか聞いてみる
この検証をやることで、クチコミサイトの価値は爆上がりする、と私は思っています。
なぜかというと、クチコミサイトが無かったら何を確認すべきなのか見当がつかず、ボヤっとした確認で終わってしまうからです。
そこで、クチコミサイトの情報を元にすることで、かなり具体的なポイントを確認できるようになります。
サラタメさん
ぜひ、これを、みなさんにやってほしいんです!
まず、OpenWorkみたいな、クチコミサイトは、必ず使ってください。
使わないで企業研究するのは、もったいないです。
さらに、このブログにたどり着くような情報収集意欲が高い人は、以下のステップで転職先を決めてほしいんです。
- そのクチコミ情報をただ眺めて鵜呑みにするのではなく
- あくまで「傾向」や「仮説」として扱い、最後に自分の力で裏取りの作業、確認作業までして
書籍の内容とは少し離れちゃいましたが「OpenWorkのクチコミは、生身の人間に確認して完成させる」という補足も、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。
まとめ:本書の結論とサラタメ的補足
この記事では、今年1月に発売されたばかりの新刊『1300万件のクチコミでわかった超優良企業』を元に、以下2つの重要ポイントを紹介しました。
- ぬくぬくしやすくなった時代に、本当にぬくぬくしたら危険だ
- 営業マンは「売る商品」だけで会社を選ぶと危険だ
OpenWorkという企業の口コミサイトを分析した結果、働き方改革によって残業は減ったものの、20代の成長環境が失われていると。
その結果、長期的には成長できない環境では仕事を辞めたくなってしまうことが判明しました。
ということで、成長できる環境、特に今ならSaaS業界がおすすめだという話をさせていただきました。
サラタメさん
「SaaS業界の中でどの会社を選ぶか」に興味ある方は、私のLINE限定で出してる「SaaS業界転職完全ガイド動画」をご覧ください!
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また、「OpenWorkのクチコミは、生身の人間に確認して完成させる」というサラタメ的補足もいたしました。
- OpenWorkの口コミを見て仮説をたてる
- 人事の人に「現場で働く人を、内定承諾の前に、一人だけ紹介してほしい。お話聞かせてほしい」とお願いする
- 現場の社員の人に「実はクチコミサイトで、こんなクチコミ見ちゃって、今はもう大丈夫なんだろうな、とは思ってるんですけど、ぶっちゃけどうなんですか?」とか聞いてみる
サラタメさん
ぜひ、参考にして転職活動を成功させてくださいね!!
今回は以上でございます!
最後に…
私が実際に使ってみて「これはオススメできる!」と思った転職支援サービス(※すべて無料)をまとめた記事貼っておきます。 【忖度無しの本音】サラタメおすすめの転職サイト&転職エージェント&口コミサイト 最初の「結論」部分だけでも、充分役立つ情報かなと。 (「結論」だけなら“1分”あれば読めちゃいます!)